子育て中にてこちゃこちゃ本棚

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ちょっともやっとして終わるミステリー タカイ×タカイ(森博嗣)

  

 タカイ×タカイ CRUCIFIXION (講談社文庫)

 

「あんな高いところに、どうやって死体を上げたのでしょう?」有名マジシャン・牧村亜佐美の自宅敷地内で発見された他殺死体は、奇妙なことに、地上約15メートルのポールの上に掲げられていた。被害者は、前夜ファンと牧村の会食中に消えたマネージャーだった。事件関係者の調査依頼を受けた《探偵》鷹知祐一郎は、複雑に絡み合う人間関係の糸を解きほぐし、犯人の意図と事件の意外な真相に迫る。絶好調シリーズ第3弾!Amazonより)

 

 シリーズ3作目をいきなり紹介っていう、ちょっとセンスないことしてますが、途中でも結構楽しく読めますよってことで、許してください。

 

 

個人評価:★★★★☆

 

 森博嗣ファンなので、贔屓は多少あるかもしれません。でも、やっぱり面白いです。

 

 誰が殺したのか?どうして殺したのか?どうしてポールの上に死体を上げたのか?

 

 個性豊かなキャラクターがあれこれ考えてやりとりしながら、これだ、という話に近付いていく。はらはらドキドキ、というほどではないけど、真鍋くんが突然核心に迫る発言したりすると、「おぉ!」って感動しますね。普段だめっぽいのに、頭いい!かっこいい!って、いわゆるギャップでしょうか。本当に好感度上げる効果あるんだなあと思います。

 

 作者の森氏のブログも時々読んでいるのですが、「ミステリーは必ず読者が安心、納得する結末があるべきか」みたいなお話をされていることが多くて、そういう作者の考えが反映されているのでしょうか、このシリーズは犯人のはっきりした自白などはありません。でも、周辺人物と接触した時の発言とか様子から、「何があったのかな」「こうだったのかな」って想像し、小川さんや真鍋くんの話し合いに参加したのような気分でああでもないこうでもないって考えられるのが楽しいです。

 人間、何を隠しているのかわからないですよね。単純に隠すことを悪いと断じることもできませんしね。

 

 事件の結末(というか過程というか)がはっきりしない、という点については、ギリシャ文字シリーズがこの上をいきます。「結局なにがなんだったんだ!」てモヤること間違いなし。でも面白くてやめられないです。